スクリプトのコツ

スクリプトのコツ

へっぽこは以前催眠音声用のスクリプトの添削を行っていました(今でも依頼があればお受けしますが、メールボックスがスパムだらけになってしまって気がつかない可能性が高いです)。

結構な人数のかたの書かれたスクリプトを拝見して添削をさせていただいたのですが、その際に多くのかたに共通している問題点があり、毎回それを書くのも面倒だったので定型文にして添削の冒頭に貼り付けていました。

ここのへっぽこ催眠講座と比べると一歩踏み込んだ内容であり、添削を依頼して下さったかたへのプレゼント的な意味合いでこれまではサイトで公開してきませんでした。
依頼されたスクリプトが催眠スクリプトの体をなしていない場合にはまだ早いということでお送りしていませんので、これが理解できるぐらいきちんと催眠を理解されてますよ、というへっぽこからのエールでもありました。

しかし、今さらへっぽこに添削を依頼するかたもいませんし(苦笑)、ノウハウは共有するべきだと考えていますので公開することにしました。
ごくごく当たり前の内容しか書いていませんが、基本こそ大事ということで(笑)
あと、添削の返事という前提なので前後に余計なものも付いています(笑)






気になるところを挙げていきますが、まず催眠誘導全般について説明しますね。

催眠誘導には様々は手法やテクニックがありますが、総てに共通するある特徴があります。
この特徴に一致しているかどうかを考えるだけで、そのやり方が催眠誘導として好ましいかどうかが判断できると言ってもいいでしょう。

それは、催眠誘導というのは『被催眠者(聞き手)の思考を弱める』技術の組み合わせで成立している、ということです。
『思考力を奪う』とか『意識を低下させる』などと読み替えてもいいです。
それが古典催眠であろうが現代催眠であろうが、イメージ法だろうが驚愕法や混乱法であろうが、程度やスピードの違いこそあれ総て同じです。
思考を弱めることが催眠誘導の根幹であり、その結果として暗示が入るなどの催眠状態に特有の現象が起きるのです。
へっぽこは添削を依頼されたときに色々な注意点を書きますが、総ての注意点はこの根幹を実現するための各論に過ぎません。

その各論ですが、まず、違和感と疑問をなるべく与えないようにしてください。
違和感も疑問も聞き手の思考を活性化させてしまいます。
『あれ?』とか『それって?』とか『どういう意味?』とか聞き手に感じさせるのは、思考を弱めるという観点からアウトです。
なるべく平易な分かりやすい言葉を使うとか、同じ内容でも否定的な言い回しよりも肯定的な言い回しを心がけるとか、総てこのためです。
ストーリーや世界観を考えると限界はありますが、どうしても外せない部分を除いては、この原則が優先すると考えてもいいでしょう。
混乱法などで聞き手に大きな疑問を感じさせる手法もありますが、あれはその後で一気に思考を奪って落差を作ることが前提です。

次に、書いている内容が『状況説明(地の文)』なのか『指示』なのか『暗示』なのかを常に意識するようにしてください。
思考の強い状態から思考の弱い状態へ遷移させるためには、思考の強さに応じた誘導が必要であり、その段階ごとに聞き手の受け入れやすさが変わることに対応しなければなりません。
思考が強いとき(誘導を始めた時点)では受け入れやすさは、
  状況説明≫指示≫暗示
であり、思考が弱くなる(誘導が進む)に従って、
  状況説明>指示>暗示
から、最終的には
  状況説明=指示=暗示
になります。
書いている内容(の意味)を意識するのは、段階に応じて受け入れやすい内容にするためです。
誘導を始めたばかりで暗示を入れようとしても、入らないばかりか違和感と反感を聞き手に与えてしまいます。
誘導が進むにつれて状況説明と指示と暗示の比率を変えていってください。

疑問形は注意して使うようにしてください。
催眠誘導において(一般的な日本語においてもですが)疑問形には複数の種類があります。
第一に聞き手の意志を問う疑問形です。
例えば、あなたの好きな色はなんですか?、とかですね。
これは『う〜んと』と考えさせた時点で思考を活性化させてしまうので、誘導的にはアウトです。
意識を質問に逸らせる(直後に混乱法を使ったりメタファーを入れたり)ために使うこともできますし、対面での誘導なら質問の回答を活かすこともできますが、基本的にはこのような疑問形は使わない方がいいでしょう。
第二にイエス・ノーで答えられる疑問形です。
例えば、気持ちいいですか?、とかですね。
これはイエスと確実に答えさせられるときには非常に有効です。
催眠的にはイエスセットと呼びますが、聞き手に意識的にでも無意識にでもイエスと答えさせるのはとてもいいことです。
理由は複数あり、総てを解説するとかなり長くなるので省きますが、とてもいいことであると理解してください。
逆にノーと答えられると、これは非常にマイナスです。
イエス分を吹き飛ばすぐらいのマイナスになり、一気に聞き手を醒めさせる可能性すらありますので注意が必要です。
目安としては、ノーと答える可能性がある場合はそもそもこの形式の疑問形を使わず、イエスとしか答えようがない場合は積極的に使えばいいでしょう。
第三に表現として疑問形になっているだけの疑問形です。
例えば、そうでしょ?、とかですね。
イエスと答えさせるのが前提の疑問形ですので、第二の疑問形の派生形と考えてもいいでしょう。
これも積極的に使えばいいですが、ノーと答えうる第二の疑問形にはならないように注意してください。

では、細かいところを見ていきましょうか。






時候の挨拶の後にこれをぺたんと貼り付けて、スクリプトの細かい添削に入るというパターンでした(笑)

ほぼ皆さんに共通する内容なのでこれを定型文にしていましたが、既に充分理解されていると感じた場合には段落ごと消したりもしました。
また、定型文に入れるほどでもない指摘は個々にしていましたが、深呼吸の多用に関する指摘とメリットデメリットに関する指摘をすることが多かったかな?

個々のスクリプトに合わせて添削をしましたが、注意して確認していたのは流れがきちんとできているかと前後に矛盾はないか、でしたね。
へっぽこ催眠講座でも書きましたが、手順を踏んで誘導するのが基本であり、基本がやっぱり強いのです。


こうやって読み返してみると他にも色々書くべきことがあったんじゃないかと思いもしますが、あくまでスクリプトを書くのはそれぞれのかたですし、へっぽこの流儀に染まって欲しい訳でもありませんので、このぐらいでよかったのかな、と。
まあ、また書くべきノウハウを思い出したら、追記します。
気が向いたら、ですが(笑)