覚醒のやり方

覚醒のやり方

催眠に掛けたら必ず解くこと!

これはどの催眠の本にも載っている大原則で、へっぽこ自身もそれは術師としての責任だと思っています。
しかし、ちょっと疑問を感じませんか?
へっぽこはこれまで散々、人間はトランス状態(催眠状態)に簡単に入る、トランス状態は特別な状態ではないと主張しているくせに、覚醒という特別な儀式が必要だというのは変じゃね?、と。

確かにトランス状態は特殊な状態ではありませんし、人間は簡単にトランス状態になります。
しかし、暗示が入るほどの深さのトランス状態に誘導(と深化)すると、多くの人はなんらかのきっかけがなければトランスから抜け出せません。

そのきっかけとして与える暗示覚醒です。

さらっと書きましたが、覚醒も暗示の一種であることは非常に重要で、そのために多くの術師は覚醒の前に一度深化させますし、暗示を入れるときと同じような条件を整えるよう心がけます。

催眠においては2種類の覚醒を使い分けます。
一つは半覚醒で、もう一つは完全覚醒です。
半覚醒は施術の途中で一時的にトランスから抜け出させることで、意識がはっきりした状態で暗示による効果を確認してもらうために使います。
特にショー的催眠では、誘導と深化の時間以外は被催眠者をずっと半覚醒状態にしておく術師が多いですね。
完全覚醒は施術が済んだときに完全にトランスから抜け出すために行います。

半覚醒のやり方は簡単です。
普通に暗示を入れるときと同じようにするだけです。


3つ数えると、あなたは深い催眠状態から目を覚まします
1つ、2つ、3つ、はい!


完全覚醒の場合はトランスから完全に抜け出してもらわないといけないので、もう少し手間を掛けます。
カウントアップをしながら段階的に覚醒するイメージを与えるのが、基本的なやり方です。
また、事前に催眠を解除するという宣言をしておくと、より効果的です。


これから、あなたに掛けた催眠を完全に解きます
目を覚ました後、あなたに与えた暗示は全て消えています

5つ数えると、あなたはスッキリと気持ちよく目を覚まします
1つ、だんだん頭がはっきりとしてきました
2つ、足や手に力が戻ってきました
3つ、頭の中を冷たい風がす〜っと通り抜けていきます
4つ、身体中に力がすっかり戻りました、もうすぐ完全に目が覚めますよ
5つ、はい!スッキリとはっきりと目が覚めました!


カウントの数を増やしたりイメージをより細かくすることで、より覚醒としての効果を高めることもできますが、へっぽこの経験からするとほとんどの場合は5で充分ですし、せいぜい10に増やすぐらいでいいでしょう。
また、分割弛緩法の逆パターンで、身体の部分部分をだんだんと覚醒させていくのも効果的です。

完全覚醒のコツとしては、暗示である以上、被催眠者に確信をもって(自信たっぷりに)はっきりと指示してあげることです。
目が覚めましたか?などと尋ねるのは好ましくありませんし、被催眠者にまだ掛かったままなのではないかと疑問を抱かせるような言動は一切するべきではありません。

さて、まれにですが、完全覚醒を試みてもトランスから抜け出してくれない被催眠者がいます。
その場合はどうすればいいのでしょうか?
へっぽこ流の超完全覚醒術をこっそり伝授しますと、頭から水をぶっかけて起きなかったら、そのまま一晩寝かせておきましょう。(笑)
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